COLUMN · 指標解説

米雇用統計(2026年9月分)を、
長期投資家の目線で読む

一回の数字に振り回されず、「流れ」で見る

作成 2026年10月13日情報の時点 2026年10月2日公表分(9月分)
この記事について 特定の売買を勧めるものではなく、公表された統計の内容と「長期で何を見ればよいか」を整理した情報提供です。数値は公表機関の資料に基づき、末尾の出典で確認できます。投資の判断はご自身の責任でお願いします。 この記事は、公開資料をもとにAIが作成しています。誤りに気づかれた場合は、support@fire-app.jpまでお知らせください。

3行でいうと

  • 2026年9月分の雇用者数は+2.9万人、失業率は4.2%。BLSも「ほぼ横ばい」と表現した、弱くも強くもない数字。
  • 7月と8月が合計6万人下方修正され、直近3か月の平均は月+5.1万人。単月の数字より、流れと改定を見る。
  • FRBは9月に利上げ。物価の伸び(+3.4%、8月)が賃金(+3.1%)を上回る中、雇用×物価×金利のセットで見るのが、長期投資家の読み方。

1. 雇用統計とは

米国の雇用統計は、米労働省の労働統計局(BLS)が、原則として毎月第1金曜日の午前8時30分(米国東部時間)に公表する、労働市場の統計です。市場では、毎月もっとも注目される経済指標のひとつです。

この3つに、労働参加率を加えた4つを見るのが基本です。

2. 2026年9月分の結果

2026年10月2日に公表された9月分は、次のとおりでした。

項目2026年9月前月見方
非農業部門の雇用者数(前月比)+2.9万人+13.3万人(改定後)BLS自身が「ほぼ横ばい」と表現。単月では判断しない
失業率4.2%4.1%前月から0.1ポイント上昇。小さな動き
平均時給(前年比)+3.0%+3.1%前月比は+0.1%。伸びは鈍化
労働参加率61.8%61.6%働く意思のある人の割合。BLSは「ほぼ変わらず」
前月・前々月の改定7月 −3.1万人、8月 −2.9万人合計で6万人の下方修正。数字は後から変わる

出典:米労働省労働統計局「The Employment Situation — September 2026」(2026年10月2日公表)。

雇用の増加が大きかったのは、医療(+1.7万人)、建設(+1.1万人)、製造業(+0.9万人)。減少は、金融(−0.7万人)でした。

3. 単月でなく「流れ」で見る

非農業部門の雇用者数、月ごとの増減(千人、2024年10月〜2026年9月)
25/125/726/1-1026/7+133+2926/9
出典:米労働省労働統計局(BLS)。直近の改定を反映した値で、濃い3本が7〜9月。7月は−1万人、8月は+13.3万人、9月は+2.9万人。直近3か月の平均は月+5.1万人、過去12か月の平均は月+4.1万人。

速報の数字に、市場は大きく反応します。しかし、長期で保有する人にとって重要なのは、「雇用の増加が、数か月から1年の単位で、どの方向に向かっているか」です。

4. 失業率と賃金

失業率の推移(%、2024年1月〜2026年9月)
3.5%4.0%4.5%5.0%4.5%3.7%2024/12025/12026/12026/9
出典:BLS(家計調査)。2025年10月は公表値がなく、直線でつないでいる。2025年11月の4.5%を頂点に、2026年9月は4.2%。

失業率は4%台前半で、大きくは動いていません。雇用の増え方は鈍いものの、FRBの声明は、雇用の増加は労働力の伸びに見合っている、としています。

賃金と物価の前年比(%)
2.0%3.0%4.0%消費者物価 3.4%平均時給 3.1%2024/092026/08
出典:BLS(平均時給)、FRED(消費者物価指数CPI、季節調整済み)。2025年10月は物価の公表値がなく、欠測。最新の2026年8月は、時給+3.1%に対し、物価+3.4%。物価の伸びのほうが大きく、実質の賃金は目減りしている。

賃金の伸びは、1年前より落ち着いてきました。一方で、物価の伸びのほうが大きいため、家計の購買力は目減りしている状態です。個人消費に影響しうる点として、長期投資家が注目する理由のひとつです。

5. 金利とのつながり

米国の政策金利(フェデラルファンド実効金利、月平均、%)
0.0%2.0%4.0%6.0%5.3%0.1%2022/12024/12026/09
出典:FRB(FRED)。2024年9月から利下げが進み、2025年12月以降は3.6%台で推移。2026年9月のFOMCで、利上げに転じた(誘導目標は3.75〜4.00%)。

FRBは、2026年9月16日のFOMCで、政策金利の誘導目標を3.50〜3.75%から3.75〜4.00%に引き上げました(賛成12、反対0)。声明では、「物価の伸びは高止まりしている」と表現しています。

出典:FRB「Federal Reserve issues FOMC statement」(2026年9月16日)、FRED。

6. 長期投資家は、どう受け止めるか

この記事は、特定の売買を勧めるものではありません。雇用統計の結果から、株価や為替の動きを予想するものでもありません。

7. 毎月の見る順番(チェックリスト)

見る順番何を見るか見方のポイント
① 雇用者数前月比の増減と、直近3か月の平均単月でなく平均で。前の2か月の改定も一緒に見る
② 失業率水準と、数か月の方向0.1ポイントは誤差の範囲になりうる。方向が続くかで見る
③ 平均時給前年比の伸び物価の伸びと比べて、実質で増えているか
④ 労働参加率働く人の割合失業率が下がっても、参加率が下がっていれば中身は弱い
⑤ 政策金利との関係FRBが物価と雇用のどちらを重く見ているか数字そのものより、金利の見通しがどう変わるか

8. 次に確認する日程

日付イベント見る点
2026年10月27〜28日FOMC(連邦公開市場委員会)9月の利上げ後の判断と、声明の表現(物価・雇用)
2026年11月6日雇用統計(10月分)9月分の改定と、直近3か月の平均がどう変わるか
2026年12月4日雇用統計(11月分)3か月の流れが、ひとつの方向に定まってきたか
2026年12月8〜9日FOMC(経済見通しを公表)政策金利の見通しと、失業率・物価の予想

出典:BLS「Employment Situation Release Schedule」、FRB「FOMC Calendars」。日程は変更されることがあります。

決算も経済イベントも、ひとつのカレンダーで

配当の権利日や保有銘柄の決算、積立の実行日に加えて、日銀の金融政策決定会合やFOMC・雇用統計などの経済イベントも、同じカレンダーで確認できます。

カレンダーを見るComing Soon · App Store

出典

更新履歴